足がつるとは?
わたしたちは基本的に、歩いたり運動したりするとき、足の筋肉を自分の意志で、収縮させたり弛緩させる事で動かしています。
ところが、なんらかの原因で、自分の意志とは関係なく、足の筋肉がとつぜん痙攣(けいれん)を起こすことがあります。
筋肉が収縮したままで硬直し、元に戻りにくくなり、多くの場合、痛みをともないます。それが足がつるという症状です。
足がつるというのは、体の中でも筋肉強度の低い場所に起こりやすく、特ににふくらはぎで起こることが多いですが、それ以外にも、
太腿、土踏まず、足の指などに多く、基本的には、下半身に起こることが多いです。
足がつる原因
筋肉疲労
一番多い原因といわれているのが、筋肉疲労です。ウォーキングなどの軽めの運動であっても、一番負荷がかかるのは、
身体を支えている脚の筋肉で、ふくらはぎは日常生活の中でも常に負荷がかかっている部分です。
運動をするということはさらにふくらはぎを酷使するということですから、疲労しやすくなるのです。
また、意識して足先を伸ばす動きの多い運動をされている方は、余計につりやすくなります。
このタイプの場合は、その場でつることもありますが、基本的には寝ているときにつることが多いです。
水分不足&ミネラル・ビタミン不足
人が日常生活や運動などで体を動かすと汗をかきます。身体の水分が足りなくなると血の巡りも悪くなります。
水分が足りなくなると血液がドロドロになって流れが悪くなるのです。
血液の流れが悪いと、
身体の隅々まで酸素や栄養素を運ぶことが出来なくなるので、筋肉が疲れやすくなり、つりやすい状態となります。
また、汗の中にはミネラルも含まれています。
体をたくさん動かして、汗をたくさんかくことにより、体内から沢山のミネラルが汗として外に出ていきます。
この中でもマグネシウムが不足すると、筋肉の弛緩作用の働きが弱くなり、足がつるという症状を引き起こしやすいと言われているので、
特に妊婦さんは、お腹の中の子供にも栄養素が行き渡ってしまうので、カルシウム・マグネシウム不足になりやすいと言われています。
また、ビタミンB1も不足すると、筋肉疲労が起きやすくなり、神経の働きも低下するので、足がつりやすくなると言われています。
冷え性
冷え性が強い方ほど足がつる可能性は高くなります。
足が冷えていると筋肉は緊張状態になっています。そんな時に急に足を伸ばそうとすると、ロックしたような状態になり、足がつることがあります。
特に、冬場に多く、寝入りばなや寝ている最中、目が覚める頃と言った時に足がつりやすいのであれば、冷え性が原因の可能性が高いです。
足のつりへの対処法
足がつると言う事は、筋肉が収縮して伸びなくなっている状態です。そこで、その縮んだ筋肉を伸ばすことが必要です。
でも、いきなり伸ばすのは禁物、最悪は肉離れを起こしてしまう事があります。
膝が曲がっている状態で、足のつま先を手でつまみながら、頭の方へ引き寄せるようにします。
その時、手が足に届かない場合は両手にタオルを持ち、輪の部分を足先にひっかけてゆっくり引き寄せてください。
その状態から、膝を徐々に伸ばしていきます。足のつりが治ってきたら、徐々に弱めていきます。
痛みが治まってきたら、足のつった所を温めたり、やさしく揉みほぐしたりしてください。
予防法
筋肉疲労を残さない
筋肉疲労による足のつりを予防するためには、筋肉を使う前と使った後のストレッチをしっかり行うことが大切です。
筋肉は鍛えたり、酷使した直後は硬くなっています。これは筋肉に疲労物質が溜まったままで、足がつりやすい状態となっています。
筋肉を使った後は、しっかり揉みほぐしたりすることによって、筋肉のポンプ機能がしっかり働き、
筋肉に疲労物質が溜まることなく柔らかい状態でいられます。
ストレッチは、足のつりの予防という側面意外にも、捻挫や膝の怪我防止といった効果もありますので、ストレッチを行うことによって、プラスアルファの効果が得られます。
栄養バランスを整える
足がつりやすい方は普段の食生活においてもバランス良く食べることに注意して、
ビタミン・ミネラル不足をおこさないように心がけましょう。
マグネシウムを多く含む食べ物
- 素干しワカメ
- かぼちゃ
- アーモンド
- ひじき
- しらす
- なまこ
ビタミンB1を多く含む食べ物
- 卵
- 牛乳
- 豚肉
- 豆類
- うなぎ
このような、マグネシウムやビタミンB1を多く含んだ食べ物を積極的に摂取するといいかもしれません。
水分補給
人は汗をかくことにより、電解質と水分が失われてしまいます。さらに筋肉をつかうことによりミネラルも消費されていきます。
その状態で水などのミネラルを含まないもので水分補給をおこなってしまうと、体内のミネラルイオンの濃度が下がってしまい、
更に不足状態に陥ってしまいます。
長時間の運動、汗を大量にかくような運動をする前や運動中の水分補給はミネラルを含むスポーツドリンクで補給するようにしましょう。
冷え性の改善
熱は、おもに筋肉から作り出されますので、筋肉量の減少は冷え性の元となってしまいます。
筋肉の原料となる栄養素はタンパク質ですので、しっかりと摂取して筋肉量を落とさないようにないといけません。
冷え性の方の一日のタンパク質摂取量は、とても少ない方が多いです。そこで、一日の目安量として、
- 体重(kg)×1.5g
のタンパク質を摂取するように心がけましょう。
まとめ
足がつることは、何かしらの原因があります。足がつりやすい方は、水分や栄養の不足、
運動不足、血行不良などの体からのサインだと考え、生活習慣を見直してみましょう。
しかし、あまりにも足のつりが頻発したり症状が続く場合、病気が隠れているかもしれません。
整形外科や循環器科などの病院で診てもらうことをお勧めします。