不妊とタンパク質

タンパク質不足

 

 

タンパク質不足の女性の傾向は以下のとおりです。

 

・健康と美容のために野菜中心を心がけている

 

・タンパク質は豆腐や納豆でとっている

 

・ご飯やパン、麺類などで食事を済ませることが多い

 

・コレステロールが心配なので、卵を毎日食べないようにしている

 

・ダイエットをしている

 

・月経周期が短い(24日以内)、または長い(39日以上)

 

このうち2つ以上当てはまった方はたんぱく質不足により妊娠しにくい可能性があります。

 

 

 

人間のカラダでもっとも多い成分は、カラダの約7割を占める水分です。その次に多いのが、2割を占める成分がタンパク質です。

 

タンパク質は、筋肉や内臓、血液や爪、髪や皮膚、骨などを作っているだけでなく、病気などに対する免疫抗体の原料、エネルギーやホルモン、ヘモグロビンなど、様々な形でカラダの中に存在しています。

 

タンパク質は、人間が生きていく上で大変重要な成分であり、これが足りないと、自分の身体を維持することはできず、そもそもお腹の中で赤ちゃんを育てることもできません。

 

また、タンパク質の重要な働きの一つとして、ビタミンやミネラルを運ぶ働きがあります。

 

つまり、タンパク質を十分に取っていないと、いくらビタミンやミネラルを食事やサプリメントで摂取したとしても、それを吸収して全身に運ぶ働きが機能しないので、全身に必要な栄養が回らないということになります。

 

特に、ミネラルの一つである鉄は、多くの女性にとって不足しています。

そこで、良質なタンパク質をまず摂取する必要が出てきます。

 

 

 

良質なタンパク質とは?

 

 

動物性タンパク質と植物性タンパク質を比較すると動物性タンパク質の方が吸収は良いとされています。

植物性タンパク質が40%くらいの吸収率であるのに対して、動物性タンパク質の吸収率は80%くらいあると言われています。吸収率は圧倒的に動物性タンパク質の方が上です。

 

 

「PDCAAS」という人間の体での各種食品のタンパク質の消化吸収率を表したデータによりますと以下の通りとなっています。

 

<動物性タンパク質の食品>

 

●卵白・・・100%

 

●牛肉・・・92%

 

 

<植物性タンパク質の食品>

 

●えんどう豆粉・・・69%

 

●いんげん豆(缶詰)・・・68%

 

●全粒小麦粉・・・40%

 

と、このように動物性タンパク質の吸収率は高く、植物性タンパク質の吸収率はやや劣る結果となっています。

 

 

しかし、肉には飽和脂肪酸と呼ばれる脂質があるのですが、これは体に悪いものではないものの、糖質の多い食材(炭水化物など)と一緒に食べると、悪玉コレステロールが血管中でドロドロになり、動脈硬化の要因になってしまうリスクがあります。

 

その点に注意していただければ、植物性よりも動物性タンパク質を積極的に摂取し、動物性タンパク質の割合や量を増やすことで、不妊の改善が期待できます。

 

 

 

 

タンパク質の上限摂取量はどのくらい?

 

 

普段どれくらい栄養をとってどれくらい摂ると摂取過剰になるのかという栄養摂取基準を定めているのが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」です。

 

その報告書には、「現時点では、タンパク質の耐容上限摂取量を策定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。」

とあります。

 

つまり、タンパク質には明確な過剰症が認められておらず、一日にこれ以上摂るべきではないという上限摂取量も決められていません。

 

しかし、上記で引用した「日本人の食事摂取基準」にはタンパク質のとりすぎにはいくつかの過剰症が報告されているため、とりすぎとならないように適度な摂取を奨めています。

 

適度な摂取量とは、成人は年齢に関係なく、一日当りの摂取量を

 

 

・体重(kg)×タンパク質2.0g未満

 

 

に抑えることが適当であると書かれています。

 

※例   体重60kg×タンパク質2.0g=120g(一日の摂取量をこれ以下に抑える)

 

 

この摂取量以内であれば、タンパク質の取りすぎにはならないと思います。

 

 

 

まとめ

 

 

身体を作り、体調を整え、妊娠しやすい身体になるために必須栄養素の一つであるタンパク質は欠かすことはできません。

タンパク質を積極的に摂取することを心がけて、妊娠しやすいカラダづくりをしましょう。