コーヒーや紅茶などのカフェイン入りの飲み物は、1日に1、2杯であれば、まずは、気にすることはないとのことですが、実際のところ、カフェインよりも、注意すべきは、清涼飲料水です。
清涼飲料水とは、ミネラルウォーターやお茶以外、つまり、缶コーヒーや缶ジュースの類の砂糖入りの飲料のことです。
アメリカでは、砂糖入り清涼飲料水をたくさん飲む人はインスリン抵抗性を招き、太りやすく、高インスリン血症を招き、糖尿病をはじめとする生活習慣病にかかりやすいという多くの研究報告がされています。その一つが以下の文献です。
砂糖入り清涼飲料水は、カフェインが含まれるか含まれないかに関係なく、砂糖を含まないカフェイン入り飲料に比べて,
体外受精の治療成績にマイナスの影響を及ぼす可能性のあることがアメリカで実施された研究で明らかになりました。
ハーバード公衆衛星大学院の研究者らは、飲料が体外受精の成績にどのような影響を及ぼすのか調べるべく、
2014年1月から2016年8月までに不妊治療(62.1%)や遺伝病の着床前診断(37.9%)のために体外受精を受けた、
340名の女性(平均年齢:31.5歳)を対象に前向き研究を実施しました。
被験者の女性に、卵巣刺激を開始した日、もしくは、採卵日に、飲料の摂取についての質問票に回答してもらいました。
質問票では14種類の飲料を挙げて、飲んでいるかどうか、飲んでいる場合にはその量と頻度について尋ねています。
質問票の回答内容からカフェインの摂取量を算出しました。
そして、カフェインやそれぞれの飲料の摂取量と体外受精の治療成績(新鮮胚による1回の移植)の関係が解析されました。
その結果、平均カフェイン摂取量は1日に163.5mg(インスタントコーヒー約2.5杯に相当)でしたが、
トータルのカフェイン摂取量と採卵数や成熟卵数、受精卵数、トップクオリティ胚数のいずれとも関連しませんでした。
飲料別の摂取量では、カフェイン入りティーの摂取量が多くなると採卵数や成熟卵数が有意に少なく、
反対にハーブティーの摂取量が多いと採卵数や成熟採卵数が有意に多かったとのこと。
特に、砂糖入り清涼飲料水の摂取量が多いと総採卵数や成熟卵数、されには、受精卵数や良好胚数も有意に少なく、
砂糖入り清涼飲料を飲む女性は飲まない女性に比べて、平均、採卵数が1.1個、成熟卵数が1.2個、受精卵数が0.6個、少なかったことがわかりました。
また、283回の胚移植の結果、116例のhCG陽性、102例の臨床妊娠、そして、83例が出産に至りましたが、カフェイン摂取量は、いずれの成績とも関連しなかったのに対して、砂糖入り清涼飲料水の摂取量が多いほど臨床妊娠率、出産率が有意に低くなり、砂糖入り清涼飲料水を1日に0.1から1杯飲む女性は飲まない女性に比べて、出産まで至った確率が12%、
1日に1杯以上飲む女性になると飲まない女性に比べて16%低かったとのこと。
尚、カフェイン入りティーやハーブティーは妊娠率や出産率には関連しませんでした。
これらのデータから、砂糖入り清涼飲料水は、カフェインを含む含まないに関係なく、
体外受精の治療成績にマイナスの影響を及ぼす可能性があると結論づけています。
参考文献:http://www.akanbou.com/news/news.2017101201.html
このように、カフェインの摂取量がコーヒー2杯分程度であれば大きな違いはないが、砂糖入り清涼飲料水を毎日摂取したり、
カフェインの過剰摂取したりすると、体外受精の治療成績に悪影響を与えるという結果が出ています。
カロリーはあるけれども、栄養は全くない食べ物が砂糖です。空腹時に砂糖入りの清涼飲料水を飲むと、血糖値は急上昇してしまいます。
そうなると、すい臓から大量のインスリンが分泌されて、ブドウ糖を細胞に送り込み、血糖値を下げようとします。
結果、血糖値は急降下し、強烈な空腹感に襲われ、脳は、糖質を要求します。
つまり、この状態を繰り返すことで、インスリンの効き目が悪化し、卵子の発育が悪くなったり、着床障害、流産のリスクが高まってしまいます。
まとめ
市販の清涼飲料水には、怖くなるくらい大量の砂糖が入っています。こういった清涼飲料水の代わりに、普段は水やノンカフェインの麦茶・お茶などで水分補給をするようにしましょう。
水分摂取量の目安は、体格や発汗量によって個人差が大きいのですが、成人の場合は食事以外で1~1.5L以上摂取するといいようです。
清涼飲料水の摂取を控えて、妊娠しやすい身体作りを目指しましょう!