ミトコンドリアと不妊

卵子の老化とは?

 

 

卵子の老化というのを一言で表すと、「卵子が本来あるべき状態まで完成し、排卵される確率が低くなる」ということです。

 

卵子のもとになる細胞(一次卵母細胞)は、生まれたときからすべて女性の体内にストックされています。卵母細胞が新しく作られることはありません。

 

そして、このストックされていた細胞が、排卵するときになって初めて減数分裂を起こし、受精可能な完成状態に変わるわけです。

 

ところがこの一次卵母細胞は、体内にストックされている間に、常に損傷を受けやすい状態にさらされています。

 

年齢を重ねるにつれて、ストックされている卵子には損傷がたまっていくことになるのです。こうした損傷が、卵子の未成熟や染色体異常の原因となります。

 

 

 

 

ミトコンドリアとは?

 

 

ミトコンドリアは、私たちの体を作っている全ての細胞内にある小器官の一つです。一つの細胞には数個~数千個ものミトコンドリアが存在すると考えられています。

 

卵子も細胞の1つなので、卵子の中にもミトコンドリアが存在しています。

 

細胞内で酸素と栄養素を原料にして細胞が活動するために必要なエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を作り出しています。

 

細胞はこのエネルギーを使って新しい細胞を作ったり、傷ついた細胞を修復したりしています。

 

年を重ねていくと、ミトコンドリアの量は次第に減っていきます。ミトコンドリアには、質の良いミトコンドリアと質の悪いミトコンドリアがあり、年をとったり、悪い生活習慣が続いていくと、質の悪いミトコンドリアが増えていきます。

 

ミトコンドリアの量や質が低下していくと、作られるエネルギーが不足します。

 

エネルギーは、優先的に呼吸や体温調整などの生きる上で一番重要な部分に使われるので、卵子などの他の部分に回されなくなり、ちゃんと発育しなくなったり、機能できなくなったりします。

 

それが卵子の老化やガンなどといった病気につながってしまいます。

 

 

 

ミトコンドリアの働きを弱くする原因とは?

 

 

ミトコンドリアが弱まる一番の原因は「活性酸素」です。

 

活性酸素は、加齢、ストレス、睡眠不足、食べすぎ、過剰な薬物、喫煙、運動不足などの様々な要因によって発生します。

 

ミトコンドリアは、エネルギーを生産する際に活性酸素を発生しています。

 

そのとき、質の良いミトコンドリアであると、発生する活性酸素が少なくなり、より多くエネルギーを生産することができ、その結果、細胞の修復と再生という代謝がうまく働きます。

 

しかし、加齢によって、ミトコンドリアの働きが低下してくると、活性酸素の発生量が増え、それがミトコンドリア自身を傷つけることになり、ミトコンドリアの働きがさらに低下して、細胞の代謝がうまくいかなくなり老化が進んでしまいます。

 

 

 

 

ミトコンドリアを活性化させて卵子を若返らせる方法は?

 

 

ミトコンドリアの活性化のお話については、内容が多いので次回にお伝えしたいと思います!