葉酸の特徴とは?
葉酸とは、ビタミンB群の仲間で、核酸やアミノ酸代謝に関与しており、名前の通り『葉』に多く含まれています。
葉酸は水に溶けやすく、熱に破壊されるため、食べた量に対しての吸収率が約50%といわれています。
葉酸の働きとは?
・造血作用
葉酸はビタミンB12と一緒に赤血球を作り出す重要な役割を果たしています。赤血球の作成は、骨髄の中での活発な細胞分裂によって行われていますが、
葉酸が不足すると細胞の分裂がうまく働かなくなってしまいます。
赤血球の役割は、身体の隅々へと酸素や栄養を届けることです。
しかし、葉酸不足によって異常な赤血球が増えてしまうと、貧血になり、脳を含む身体の至るところが酸欠、栄養不足の状態に陥ってしまいます。
・細胞の再生を助ける
私達の身体の細胞は、遺伝子の情報をもつDNAを元に、常に再生されています。葉酸は、細胞分裂をするときの「核」になるDNAをつくりだすときに必要な栄養素です。
特に細胞の再生が活発な口、胃、腸などにある粘膜はかなり消耗するので、短期間で新しい粘膜を再生する必要があります。
なぜ妊娠前、妊娠中に葉酸が必要なのか?
・子宮内膜の強化
受精卵が着床するのが子宮の中の子宮内膜です。この子宮内膜が厚く柔らかい状態である程、着床しやすく妊娠の確率が上がると言われています。
葉酸を積極的に摂取すると、細胞分裂や増殖に働きかけるため、厚く柔らかい健康的な子宮内膜の強化のサポートになります。
厚く柔らかい子宮内膜は、受精卵をしっかり守って定着させます。着床はもちろん定着率も高まるので、妊娠に至りやすくなります。
・神経管閉鎖障害の予防
神経管閉鎖障害とは、脳や脊椎のもととなっている神経管が正常に形成されない先天異常のひとつです。主に妊娠初期の4~5週頃に起こります。
神経管閉鎖障害にはビタミンB群のひとつである葉酸が深く関わっています。この時期に葉酸不足になると赤ちゃんの神経管閉鎖障害が起きやすくなってしまうのです。
海外における研究で、妊娠初期に葉酸を十分に摂取していると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症率が低くなるということがわかりました。
そのため厚生労働省からは、妊娠の予定があれば妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月目までは葉酸を摂取するようにという勧告が出ています。
・妊娠中の貧血予防
妊娠初期には胎児の脳や脊椎などの重要な器官が形成される時期で、葉酸も多く消費しやすくなっています。
また、赤ちゃんが大きくなる、妊娠中期~後期の妊婦さんは、とくに貧血になりがちです。
葉酸の量を十分摂取するようにしましょう。
葉酸が多く含まれる食品とは?
肉類
鶏のレバー
含有量(100gあたり)=1300μg
牛のレバー
含有量(100gあたり)=1000μg
ブタのレバー
含有量(100gあたり)=800μg
魚介類
生うに
含有量(100gあたり)=360μg
数の子
含有量(100gあたり)=120μg
イクラ
含有量(100gあたり)=100μg
野菜類
枝豆
含有量(100gあたり)=260μg
モロヘイヤ
含有量(100gあたり)=250μg
パセリと芽キャベツ
含有量(100gあたり)=220μg
葉酸を摂取するにあたっての注意点は?
葉酸の一日の推奨摂取量は、通常時は、280μg、妊活中640μg、妊娠時480μg、授乳期340μgとなっています。
(参考:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書
1─6ビタミン(2)水溶性ビタミン)
葉酸が多く含まれているレバー類ですが、レバーにはレチノールという動物性ビタミンAも多く含まれています。
レチノールは妊婦さんが過剰に摂取すると、奇形児が生まれる可能性が高まるといわれています。
海外の研究機関によると、一日に3000μg以上の摂取は危険だといわれています。
3000μgというと、鶏レバー230g分になります。
毎食食べるなど、極端な摂取は避けた方がいいと思います。
また、上記の通り、葉酸は、『熱に弱い』、『水にとけやすい』、『酸化しやすい』といった性質があるので、食材の葉酸が壊れたり流れ出てしまい、十分食べていてるつもりでも、葉酸が吸収できていないことも多いです。
そのため、厚生労働省では、天然の葉酸よりも、吸収されやすい合成葉酸のサプリメントから葉酸を補うようにオススメしています。
ただし、サプリメントを併用すると過剰摂取してしまうリスクがあります。
サプリメントなどから摂取する葉酸の量は、食事から摂取する量のことを考慮して、1日あたり0.4㎎が妥当とされていますので、製品に表示されている成分の含有量などを参考にして摂取するようにしましょう。
まとめ
葉酸はとても重要な栄養素のひとつです。
妊活中から葉酸を摂取することが重要だと思いますので、妊娠力UPのために役立ててみてください!