フーナーテストとは?
性交後12時間以内に子宮頸管の粘液内にある精子の状態を確認するための検査です。
精子は性交後、膣から子宮へと子宮頸管を通して進みます。
その子宮頸管の粘液を採取し、粘液内に含まれる精子の数量・状態を検査します。
この結果で、女性の体が夫の精子をどのぐらい受け入れることができるのかがよく分かるので、相性の検査ともいわれています。
フーナーテストの基準は?
400倍視野の顕微鏡で判断します。腟の奥に残った精液と子宮頚管の粘液を採取し、総精子数と運動精子数を調べます。
運動精子数が15個以上見られれば結果が「優」となり、妊娠の可能性が高い状態といえます。
運動精子数10個~14個で「良」、運動精子数5個~9個で「可」です。運動精子数4個以下で「不良」とされ、妊娠率は低いとされます。
不良判定の原因
男性側の原因
精子数自体が少ない「乏精子症」や、精子が存在しない「無精子症」、精子の運動率が悪い「精子無力症」があります。
どれも射精自体は普通にできるうえ、自覚できる症状がないのが特徴です。
女性側の原因
■ 抗精子抗体
身体の免疫機能によって精子に対する抗体ができるために、精子を異物と認識し、精子の運動を止めてしまう状態をいいます。
抗精子抗体になると、夫だけでなく、人の精液すべてに対して作用してしまいます。
自然妊娠は難しいとされますが、直接体液が交わらないところでは抗体が働かないので、体外受精なら妊娠の可能性があがるといわれています。
■ 頸管粘液が少ない
濡れにくい体質や頸管粘液(膣液)の粘度が硬い場合、精子は活動的に液体の中を泳ぐことはできないことがあります。
■ 頸管粘液の粘度が硬い
粘度が硬い頸管粘液は粘度の柔らかい精液との間に「液体の壁」を作ってしまう。精子にとってはその壁のせいで子宮口への侵入を妨げられてしまうことがあります。
■ 膣液の酸性度が強い
膣内の自浄作用を保つためにもともと酸性に保たれた膣液が、本来、排卵日はアルカリ性であるべきなのに、酸性度が強いと、膣内に射精された精子を殺してしまうことがあります。
結果が不良であった場合の対処法は?
子宮頸管の状態を良くする
これは規則正しい生活や十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事、
ホルモンバランスを整えることで改善されることが多いです。
精子の状態を良くする
精子を作る為に必要な栄養である、亜鉛、アルギニン、鉄分、
セレン、ビタミンE、ビタミンCなどを積極的に摂るようにしましょう。
またストレスへの対処も大切です。
潤滑ゼリーを使用する
潤滑ゼリーとは、塗るローションではなく、膣内に入れるゼリーのことです。
ゼリーの入った容器を膣内に挿入し、ピストンを押すとゼリーが出ます。
潤滑油の役割があり、男性の挿入をスムーズにして、お互いに性交痛を感じることなく臨めます。
女性の膣に直接入れることで、精子が動きやすい膣内環境が整い、精子が卵管にたどり着くまでをサポートする働きあります。
膣内の乾燥を防ぎ、細菌や感染症から守る働きもあります。
人工授精を受ける
人工授精は直接子宮内に精子を注入するので、子宮頸管に問題がある場合は妊娠率が上がると思います。
まとめ
ヒューナーテストは、精子との相性が良いかどうかを判断するための検査です。正しい方法で行うことで不妊症の原因を見つけ出し、原因にあわせた治療をすすめることができます。
夫婦で協力し、不妊への不安を少しでも取り除いていきましょう。