老化とAGEs

AGEs(終末糖化産物)とは?

 

 

AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの訳で、タンパク質(アミノ酸)と糖質が、加熱によるメイラード反応によって生成された糖化物質という意味です。

 

メイラード反応とは、糖質とタンパク質を同時に加熱することでできるこんがり焦げて褐色になることで、その時の反応でできた物質がAGEsです。

 

例えるならば、分かりやすいのは、ホットケーキです。小麦粉(糖質)を練って、牛乳や卵のタンパク質を加えて加熱したホットケーキの、褐色の焦げ目こそがAGEsです。

 

その他にも、ステーキやトーストを焼いた時の褐色の焦げ目などもAGEsです。

 

近年のアンチェンジング医学の研究で、老化促進の元凶として注目されている物質なのです。体内細胞の老化を促進させ、さまざまな生活習慣病を誘発する原因とされています。

 

AGEsが強く関わっているとされる疾患は、皮膚の老化、動脈硬化、糖尿病性合併症、骨粗しょう症、関節リウマチ、歯周病、白内障、加齢黄斑変性症、アルツハイマー病など、広範囲に及びます。

 

 

 

 

AGEsが増える原因

 

 

AGEsは、体内生成で70%、食べ物からの摂取で30%の割合で体内に蓄積されます。

 

 

・体内生成されるAGEs

 

食品から摂取した糖が体内で余ってしまい高血糖状態になると、体の組織を作っているタンパク質と結びつき体温によって糖化が起こり、AGEsが発生します。

 

AGEsの量は、

 

 

AGEsの蓄積量=血糖値の高さ×持続期間

 

 

で表現できます。つまり、糖質を摂り過ぎて血糖値が高い人ほど、体内でのAGEsの蓄積量は増え続けるのです。

 

 

糖化しやすいタイミングとしては、食後1時間後頃です。食品を口にして血糖値が上がり始めるのが、個人差はありますが大体30分~1時間後であるためで、その後下がれば問題ないのですが、高血糖状態が続くと糖化しやすいと考えられています。

 

 

 

 

・食べ物からの摂取によるAGEs

 

 

あらゆる食品には元々AGEsが含まれており、肉、バター、植物油、チーズ、魚などにAGEが多く、穀類、卵、野菜、果物、豆類などは少ない傾向にあります。多かれ少なかれ、食品を口にすることでAGEを体に取り込むことになります。

 

特に、甘いお菓子類や清涼飲料水です。これらに使われている人工甘味料は、体内に吸収されるとブドウ糖の10倍もの速さで、糖化されてAGEsを合成するといわれています。

 

また、食品を加熱調理することで糖化、つまりAGEsの量が増加し、加熱する温度が高いほどより多くのAGEsが発生します。体内に入って消化の段階でAGEsはある程度分解されるものの、7%前後は排出されず体内に蓄積されてしまうと言われています。

 

例えば、豚肉であれば、とんかつよりも豚しゃぶのほうがAGEsが少ないということになります。揚げ物や炒め物の頻度が高い人ほど、AGEsをたくさん取り込んでいるのです。

 

電子レンジを頻繁に使う人も注意が必要で、マイクロ波による加熱は、見た目に焦げ目がなくてもメイラード反応と同様の状態を作ってしまうと言われ、一度調理されたものを温めなおすことでAGEsはさらに増加してしまいます。

 

 

 

 

AGEsを減らすには?

 

 

AGEsを体内に溜めない最善のポイントは、血糖値を上げないことです。血糖値が上がらないような、食事改善や生活改善を心がけることが大切です。

 

 

・一日の糖質摂取量を140g以下に抑える

 

・早食いはせずに、良く噛んでゆっくり食べる(

 

・食べる順番を、食物繊維(野菜類) → タンパク質や脂質(肉・魚) → 糖質(ご飯・パン)の順にする。

 

・甘いお菓子や飲料水は空腹時には控える

 

・食後に軽い運動をする(ストレッチなど)

 

・ストレスを溜め込まない

 

 

 

 

まとめ

 

 

AGEsの蓄積は老化のことだけでなく、肥満、病気の大きな要因になります。

 

AGEsを体内に溜めない生活を心がけ、妊娠しやすい身体作りを目指しましょう!