グルテンとは?
グルテンとは、小麦粉を水でこねることで形成される、たんぱく質のことです。
グルテンが形成されると、粘弾性のあるドウ(生地)となり、これにより、麺やパンをつくることが出来ます。
グルテンが形成されるのは、小麦に含まれる、「グルテニン」と「グリアジン」がこねる過程で、絡み合い粘弾性たんぱく質へと変化していくためです。
グルテンの含有量によって多いほうから強力粉・中力粉・薄力粉になります。
より弾力感のある食品の「中華麺」や「パン」には強力粉、ふんわり感のある「ケーキ」や「天ぷらの衣」などの軽さのある食品には、薄力粉が使われます。
グルテンによる影響とは?
人が食べた食物は、胃や十二指腸で消化された後に小腸から吸収されます。
胃や十二指腸はあくまで食品を細かくする臓器であって、栄養を吸収するのは小腸です。
小腸の壁には、消化された食物が体にとって「必要」か「害」になるのかを判断するための、精妙なセンサーがあります。
その小腸壁に存在するセンサーが損傷すると、体にとって必要ではない物質までが小腸から吸収されてしまいます。
その小腸壁のセンサーを傷つける原因の一つにグルテンであるといわれています。
その結果、妊娠および生殖のプロセスに影響を与えることと、絨毛の著しい変化によって栄養素の吸収が不足すること、特にビタミンA、ビタミンE、アミノ酸の吸収が低下することによって、精子をつくる能力と精子の働きに影響を与える可能性が高いことが報告されています。
グルテンが引き起こす病気とは?
◆リーキーガット症候群(腸もれ症候群)
グルテンが、IgGアレルギー(遅延型)に問題のない人にとっても有害となるわけは、グルテンのアミノ酸配列に関係しています。
グルテンは分解されにくい構造をしていて、未消化のまま腸の粘膜に傷をつけ、炎症を引き起こすと言われています。
健康な人もグルテンを摂りつづけることで次第に腸に穴があき、アレルギーの原因となるアレルゲンや化学物質や重金属などの有害物質を体内に入れてしまいます。
このような本来体内に侵入するはずのない、有害な物質が血液をとおり、細胞にいきわたり、そこで様々なアレルギー反応や自己免疫疾患が起こってくるのです。
リーキーガット症候群の症状は以下の通りです。
・食物アレルギー
・遅延型フードアレルギー
・アトピー
・喘息
・花粉症
・統合失調症
・自己免疫性疾患
・過敏性腸症候群)
・リウマチ
・偏頭痛
・下痢、便秘
・自閉症
・ADHD
・学習障害(LD)
・更年期障害
・子宮筋腫
・カンジダ膣炎
◆グルテン不耐症
人は食べ物をエネルギーに変えるために消化、吸収、分解、合成といった一連の代謝を行うのですが、これには酵素が必要です。
人体の酵素の種類というのは約5000種類くらいあります。
そして、酵素は食べ物ごとに働く種類が決まっています。
グルテンを分解するための酵素を持ち合わせていない人が、グルテン不耐性です。
グルテンの消化不良により、腹部膨満感・下痢・疲労感・頭痛などの症状がでる体質のことを指します。
特に、日本人は欧米人と比べ、グルテンを分解する能力が弱く、グルテンが未消化のまま腸を通過することで、炎症が生じます。
グルテン不耐症は、普段小麦を食べても問題がない人でも、胃腸が弱っていたり体調不良が重なったりすると起こります。
セリアック病との違いは、小腸の内膜損傷がないということです。
グルテン不耐性の症状は以下の通りです。
・腹痛
・下痢
・便秘
・逆流性食道炎
・腸の不調
・頭痛
・めまい
・なんとなく頭がすっきりしない
・貧血
・むくみ
・関節の炎症
・疲労感
・倦怠感
・うつ症状
・低血糖
・じんましん
・ビタミン・ミネラル欠乏症
・毛孔性苔癬(二の腕や背中などにできるブツブツ)
◆セリアック病
生涯続く遺伝性の免疫の病気です。
グルテンを摂取すると絨毛状突起と呼ばれる、小腸の小さい毛髪のような突起が損傷します。
これはグルテンに対する自己免疫反応によって起こるものです。
貧血や骨粗しょう症・発達遅延・精神障害・下痢・頭痛・湿疹・不妊など様々な問題を引き起こします。
セリアック病は生まれつきとも限らず、ある程度成人になってからでもグルテンの摂取をきっかけに引き起こされてしまうこともあり、大変恐ろしい病気です。
グルテンによって、小腸がダメージを受ける為、栄養の吸収が悪くなりますので、栄養不良に陥り、次のような症状が現れるようになります。
・腹痛
・下痢
・便秘
・腹部膨満感
・過敏性腸症候群
・体重の減少
・鉄欠乏性貧血
・骨粗しょう症
・不妊、流産
・うつ病
グルテンに敏感かどうかを判断するには?
グルテン過敏症やセリアック病であるかどうかを調べるためには、血液検査と遺伝子検査があります。
しかし、保険適用の即時型アレルギー検査(IgE抗体検査)ではなく、保険適用外の遅延型アレルギー検査(IgG抗体検査/IgA抗体検査)となり、費用も4〜5万円ほどかかってしまう上、検査できる病院も多くありません。
そこで、お勧めしたいのは、2週間グルテンを抜いてみることです。2週間後、グルテンを含む食事を再開し、除去期間との体調を比較します。
排除期間の体調が明らかに良い、または再開して悪くなった場合は、グルテンに反応していることが確率が高いといえます。
まとめ
長年不妊症に悩む女性が、ホルモン剤をはじめとする色々な治療を試みても効果がなかったのに、食事の内容と食事方法を変えてみたら妊娠したという話は少なくありません。
腸内環境を整えて、妊娠しやすい身体作りに活かしてみて下さい!