ビタミンEの特徴と働きとは?
ビタミンEはもともと生殖機能の維持に必要なもの、つまりこれ抜きでは不妊症になる物質として発見された栄養素です。
そのため、ギリシア語で“子供を生む力を与える”という意味である「トコフェロール」という化学名がつけられています。
天然のビタミンEは、大きく「トコフェロール類」と「トコトリエノール類」に分類され、さらにそれぞれα、β、γ、δの4つに分けられています。
中でも「α-トコフェロール」は私たちの血液中や細胞膜などに存在するビタミンEの約80~90%を占めています。
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、脂質とともに腸管からリンパ管を経由して体内に吸収されます。
抗酸化作用が非常に強く、生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の脂溶性成分を酸化障害から守るために、細胞膜のリン脂質二重層内に存在しています。
過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防いだりする作用もあることが知られています。
また、細胞の酸化を防ぐため、老化防止にも効果があります。
なぜビタミンEが必要なのか?
◆子宮内膜を厚くする
受精卵が着床するためには、子宮内膜の厚さが大切です。
子宮内膜が厚くなるのは黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きによるもので、黄体ホルモンは排卵後から次の生理まで分泌されます。
妊娠が継続していれば、黄体ホルモンが分泌され続け、子宮内膜は受精卵を育てられる厚さになり、生理は止まります。
不妊治療においても、黄体ホルモンの分泌が少ないと判断されるケースでは、注射などで黄体ホルモンを補充することもあります。
ビタミンEは、黄体ホルモンのもととなってくれる栄養ともいわれ、妊活をする人に必須といえます。
◆血行を良くする
ビタミンEは毛細血管を拡張させて血流をよくする作用があります。
冷えやすいお腹や腰回り、末端の血液を滞りなく循環させてくれることから、卵巣や子宮の血行をよくする働きとなります。
また、抗酸化作用のあるビタミンEは、老化防止の効果も期待できます。
卵子の老化という問題にもビタミンEが活躍してくれるのです。
ビタミンEが多く含まれる食品とは?
・すじこ
・鮎
・たらこ
・うなぎ
・かぼちゃ
・赤ピーマン
・アーモンド
・抹茶
・卵黄
・アボカド
ビタミンeは脂溶性のビタミンであるため、油との相性が良く炒めものなど油と合わせることでより吸収しやすくなります。
ビタミンは熱に弱いというイメージが強い方も多くいますが、ビタミンeの場合は、熱や酸にも強いため、特段、調理法を気にかける必要が要らない点が嬉しいポイントです。
ビタミンeは成人男性の場合で1日6.5mg、成人女性の場合で1日6.0mgを限度の目安として摂取することをおすすめします。
ビタミンCとの相乗効果とは?
ビタミンEは活性酸素から細胞を守ります。
このとき、活性酸素と結びつくことで細胞を守るので、守ったあとビタミンE自体は無力化してしまいます。
これを助ける働きを持っているのが、ビタミンCです。
ビタミンCには、無力化してしまったビタミンEを蘇らせる作用があります。
またビタミンCも抗酸化作用のあるビタミンですから、ビタミンEと同時に摂ることで、相乗効果を生み出し、細胞の酸化をさらに抑える効果が高まります。
ビタミンEの抗酸化力は、ビタミンCと同時に摂取したときに、最大限発揮されるので一緒に摂取することをおすすめします。
まとめ
ビタミンEの働きは女性だけではなく、男性にも精子の若返りの効果が期待でき、妊娠しやすくなる特徴もあります。
旦那さんと一緒に、ビタミンEを摂って赤ちゃんに恵まれやすい環境を整えて、妊活に役立ててみてください。