BMIと体脂肪率とは?
BMIとは、体重と身長から導きだす体格指数のことです。
体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合です。
まず、BMIについて今ご自身で計算してみてください。
(体脂肪率は、体脂肪計で計るしかありませんので、ご自身で計ってください。)
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
子どもを授かるためには、体脂肪率22~27% BMI18.5~24が理想とされています。
肥満における影響とは?
体脂肪率が27%を上回っている場合、妊娠・出産においてのリスクが高まり、妊娠中においては妊娠中毒症や高血圧、妊娠糖尿病を高確率で発症します。
妊娠前においては、ホルモン環境が乱れやすく、これによって卵胞の育ちが鈍くなり排卵障害を引き起こしやすくなります。
排卵障害の一種である「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」と診断される割合も増えます。
また、子宮環境については、肥満により高エストロゲン状態になっている場合、着床環境にも問題が出てきます。
高エストロゲン状態は子宮内膜症、子宮筋腫の増殖因子で、これらの病気は出産回数の少ない人に多い傾向があります。
太りすぎの目安として、女性の場合、ウェストが80cmを超えたら注意が必要です。
痩せすぎによる影響とは?
体脂肪率が18%を下回っている場合、月経不順、排卵障害が起こりやすくなります。
これは、脳の視床下部が妊娠したら生命が危険と判断して、ホルモンの分泌は後回しにし、卵巣の機能を低下させて排卵させないようにしてしまうためです。
つまり、赤ちゃんを育てられるだけの環境が弱まってしまったことになります。
また、着床環境も十分な酸素と栄養を送れなくなり、良い環境が出来にくくなりますので十分な注意が必要です。
妊娠を望むなら、過激なダイエットはくれぐれも控えてください。
肥満と男性不妊の関係とは?
インドにある、クリシュナIVFクリニック生殖補助センターのGottumukkala Achyuta Ramaraju医師によると、2016年に不妊治療のため同センターを受診した男性1,285人の精子を、コンピュータによる精子画像解析法(CASA)のデータに基づき評価しました。
その結果、肥満(BMI 30以上)の男性では肥満ではない男性と比べて精液の量のほか、精子の数、濃度、運動率などが低いことが分かったそうです。
この理由として、肥満が原因で、「精巣温度が上がりやすい」、「男性ホルモンが低下しやすい」、「女性ホルモンが増えやすい」といった報告もあるようです。
また、精液検査の数値が悪くなるだけでなく、ED(インポテンツ、勃起障害、射精障害)の原因ともなり、不妊のリスクを高めるようです。
まとめ
22~27%という割合が、女性が一番健康でいることのできる体脂肪の割合だと考えられています。
不妊治療の効果を最大限に生かすには、健康な身体を維持することが第一条件と言っても過言ではありません。
体脂肪率を適正範囲内に収めることで、不妊治療の効果を最大限に生かすことを目指しましょう。