不妊治療の現状とは?
ART妊娠率・生産率・流産率 2012
<参考>日本産科婦人科学会 ARTデータ集
http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/data.htm
※ARTとは、体外受精や顕微授精などの高度な生殖補助技術のこと。
※ETとは、受精卵(胚)を子宮に戻す胚移植のこと。
日本における体外受精実施件数は年々増えています。
各国の体外受精件数を見ると、統計を取っている国の中では日本が1位で、最新のデータでは約42万人です。
日本でなぜ体外受精が多いかというと、初婚年齢が非常に高くなっていることが考えられます。
一生懸命働いて落ち着いた頃に、そろそろ結婚しようとなったときはすでに年齢を重ねている。
すると治療が難しくなり、早期に体外受精にすすむという人が多いのです。
ところが人間の体というのは年齢とともに妊娠率は下がり、流産率はどんどん上がっていきます 。だいたい41、2歳で妊娠率と流産率が逆転し、流産率のほうが高くなります。
欲しい子どもの数と女性が妊活を開始すべき最終年齢の表
欲しい子どもの数 | |||
子ども1人 | 子ども2人 | ||
自然に妊娠したい場合 | 達成確率50% | 41歳 | 38歳 |
(希望通りかもしれないし無理かもしれない) | |||
達成確率90% | 32歳 | 27歳 | |
(ほぼ希望通り) | |||
病院やクリニックを受診し、体外受精や顕微授精の治療を受けた場合 | 達成確率50% | 42歳 | 39歳 |
(希望通りかもしれないし無理かもしれない) | |||
達成確率90% | 35歳 | 31歳 | |
(ほぼ希望通り) |
参考文献:HabbemanJD:Hum Reprod 2015:30(9),2215-2221
欲しい子どもの数と妊活の開始年齢を検討した海外の報告では、「ほぼ確実(90%程度希望が叶う)に子ども1人は欲しい」と希望する女性は、妊活は遅くとも32歳で開始した方がよいとされています。
もし子ども2人を望む場合には、遅くとも27歳からの妊活が必要です。
この年齢は自然に妊娠する場合を想定していますが、病院やクリニックを受診し体外受精や顕微授精のような高度な生殖補助医療(ART)を受けた場合において、「ほぼ確実(90%程度希望が叶う)に子ども1人は欲しい」と希望する女性は、妊活(受診)開始年齢は遅くとも35歳となります。
これらの年齢を超えると、妊娠の確率は下がっていきます。
まとめ
妊活を始めた段階、病院を受診した段階で、妊娠しにくい年齢になっている方が多いと思います。
しかし、不妊治療や体質改善のための研究はめざましい進歩がみられており、35歳以上の高齢の方でも妊娠できる確率は高くなってきています。
不妊症に関する知識を深め、必ず赤ちゃんが授かるだろうと信じて、積極的に治療に取り組み、妊娠につながる体質改善を目指しましょう!