不妊治療における誤解

 

ピルの服用でがんや不妊症になる?

 

 

ピルは避妊薬であるため、服用すると体内のホルモンバランスに変化が生じ、体が妊娠している時と同じ状態になります。

 

そのため、体内で毎月行われていた排卵もストップし、性交を行っても妊娠することはありません。

 

しかし、ピルの服用をやめれば自然な月経が回復して、妊娠が可能となります。

 

薬による赤ちゃんへの先天異常の影響も特に問題ないと言われています。

 

ピルは不妊治療の際に、月経周期をコントロールするために使用されています。

 

体内の黄体ホルモンの値が低い人は、排卵後の高温期が短くなります。

 

すると、受精卵着床のために厚くなった子宮内膜もはがれやすくなり、仮に妊娠しても流産しやすくなってしまいます。

 

そこで、黄体ホルモンも含まれているピルを飲むことで、ホルモンが補充され子宮内膜が維持、受精卵の着床を助けることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不妊治療で卵巣機能が若返る、閉経まで妊娠が望める?

 

 

不妊治療というものは、妊娠するための障害を取り除き、万全の状態により近づけるということで、女性本人がもっている卵巣を若返らせて、高齢でも若い時のように出産できるようにすることではありません。

 

卵巣機能は、35歳を目安に卵巣機能が徐々に低下していきます。

 

卵巣機能が低下すれば、卵子の数や質は低下していき、出産に行き着くことがどうしても難しくなります。

 

そのため、老化卵子を用いた治療には限界があるということを、常に心がけてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体外受精すれば何歳でも必ず妊娠できる?

 

 

体外受精は、何歳までに始めなければならない、何歳までしか受けられないといった明確な年齢制限は設けられていませんが、女性の年齢が高くなるにつれ、体外受精を行っても妊娠成功率が下がる傾向にあります。

 

個体差はありますが、40代も中盤に差し掛かる頃に、どんなに不妊治療がうまくいって妊娠したとしても、その半数以上の方が流産に終わってしまうというデータも出ています。

 

厚生労働省が行っている不妊治療の助成金支払いを行う条件に関しても、女性の年齢を43歳未満と指定しています。

 

不妊治療に厳格な年齢制限はないものの、おおまかに限界的な年齢があるという考え方が現実的です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不妊治療とダウン症は関係あるのか?

 

 

不妊治療を受けても、ダウン症の出生率が高くなる事は、ありません。

 

ダウン症の出生率は、本人の卵子で妊娠する限り、自然妊娠と同じ確率です。

 

ただし、ダウン症は、妊娠する年齢と、関係があると考えられています。

 

ダウン症が生まれる可能性は、20代に比べて増加します。

 

35~39歳は約7倍、40~44歳は約24倍、45歳以上では、実に84倍に上昇します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

ピルというと避妊をする時に服用するものという認識から、ピルを使うと不妊になるといった噂になってしまったのだと思います。

 

このように、噂とは必ずしも正しいとは限りません。

 

治療を受ける際の不安を取り除くためにも、まずは自分ひとりで悩まず、きちんとした情報を教えてくれる先生を探し、相談することがベストだと思います。