腸内環境

 

食物繊維とは?

 

「食物繊維」というのは、「糖質」、「脂質」、「たんぱく質」、「ミネラル」、「ビタミン」と並ぶ6大栄養素のひとつで、「人の消化酵素では消化できない食べ物」に含まれている成分のことを意味します。

 

消化酵素で消化できないということは、食べても吸収されませんが、腸内環境を整えて便秘を改善したり、体内の有害物質を排出したり、乳酸菌などの腸内の善玉菌を増やす働きがあります。

 

腸の主な働きは消化吸収と、病原菌から体を守る免疫機能です。

 

ヒトの腸(主に大腸)には100種類以上、約100兆個の腸内細菌があります。

 

体の免疫機能の約60%は腸管に存在し、腸内細菌のバランスが良いほど腸管免疫力が発達・向上することが研究結果として発表されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腸内環境を整える食物繊維とは?

 

 

食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があって、それぞれに特徴が異なります。

 

水溶性と不溶性の摂取割合としては、「水溶性:不溶性=1:2」が理想的だと言われています。

 

 

・水溶性食物繊維

 

水溶性の食物繊維は、水分と混ざりネバネバの粘度を高めて便を軟らかくして、スルッと排せつさせるのに役立ちます。

 

ゼリー状になって胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくくなり、食べすぎを防ぐ働きもあります。

 

一緒に食べた糖質を腸から吸収されるのをゆるやかにして血糖値の上昇を抑える作用もあります。

 

また、食物中のコレステロールや胆汁酸の吸収を抑えるため、LDLコレステロール値を抑える働きも報告されています。

 

さらに、水溶性食物繊維は大腸内で善玉菌のエサになり、ビフィズス菌を増やして悪玉菌を減少させ、腸内細菌のバランスを整える働きもあります。

 

 

 

・不溶性食物繊維

 

不溶性の食物繊維は、穀類や野菜、豆類に多く含まれていて、糸状の繊維で表面はザラザラしています。

 

水溶性の食物繊維は、昆布やわかめなどのネバネバっとした部分や、リンゴやレモンなどの果物に多く含まれます。

 

食材のなかにはごぼうのようにこの両方の食物繊維を含んだものもあります。

 

不溶性の食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみます。

 

それによって腸の蠕動運動を活発にして、便通を促します。

 

そのため、水を多く含むことが重要なので、たっぷりの水分を一緒に取ることを心がけることが必要です。

 

便のかさも増え、排便が促されます。有害物質を体の外に排出するので、大腸がん発生のリスクが減少するという研究報告もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食物繊維を多く含む食材とは?

 

・水溶性食物繊維を豊富に含む食材

 

海藻、オクラ、モロヘイヤ、かぼちゃ、ごぼう、にんじん、大根、キウイフルーツ、キンカン、アボカド、ブロッコリー

 

 

・不溶性食物繊維を豊富に含む食材

 

アーモンド、干し柿、いんげん豆、大豆、ひよこ豆、あずき、切り干し大根、栗、かぼちゃ、玄米、里芋、さつまいも、玉露、オートミール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腸内環境のバランスをよくする方法とは?

 

●腸内細菌のエサになる食物繊維(穀類、イモ類、豆類、野菜、きのこ、海藻、果物など)をとる

 

腸内細菌のエサになるのはイヌリンという水溶性食物繊維、あるいはエサにはならないセルロース(野菜の筋ばった部分に含まれる)といわれています。

 

中でも、腸内細菌が分解しやすくエサにしやすい水溶性食物繊維が豊富な食品(大麦や海藻など)を積極的にとりましょう。

 

 

●善玉菌を多く含んでいる食材を食べる

 

腸内の状態をきれいにして、お通じの改善をもたらしてくれるのが、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌です。

 

善玉菌を豊富に含む食材は、ヨーグルト、キムチ、納豆、チーズに多く含まれています。

 

ビフィズス菌が含まれるヨーグルトや乳酸菌飲料は、毎日の食事にプラスするだけで手軽に善玉菌を補給できて便利です。

 

また、キムチやぬか漬けなどの発酵食品には、乳酸菌が豊富に含まれています。

 

そして、野菜や果物、豆類などに多く含まれるオリゴ糖や食物繊維は、善玉菌のエサとなり、増殖を促してくれます。

 

オリゴ糖を多く含む食品には、バナナや大豆、アスパラ、タマネギ、ゴボウなどがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

食物繊維は、今や第六の栄養素と言われるほど、重要な食品群となっています。

 

普段何気なくしている食事の中にも、改善できることはたくさんあると思います。

 

ご夫婦で協力しながら、妊娠しやすい身体作りに活かしてください。