妊活における亜鉛

亜鉛とは?

亜鉛は数百におよぶ酵素たんぱく質の構成要素として、さまざまな生体内の反応に関与しています。

アミノ酸からのたんぱく質の再合成、DNAの合成にも必要なので、胎児や乳児の発育や生命維持に非常に重要な役割を果たしています

また、骨の成長や肝臓、腎臓、インスリンを作るすい臓、精子を作っている睾丸など、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。

亜鉛の吸収量は、摂取量や一緒に存在する他の成分により変動しますが、一般的には、約30%と推定されています。








亜鉛不足度チェック

・爪が変形・変色している

・肌荒れやシミが目立つ

・立ちくらみや眼精疲労が多い

・物忘れが増えた

・味覚が鈍い

・疲れが抜けない・風邪をひきやすい









亜鉛を多く含む食材とは?

・牡蠣
    
・いりごま
    
・牛もも肉
    
・牛肩肉
    
・ほたて
    
・納豆    

・さば水煮缶    

・鶏もも肉    

・鶏卵










亜鉛の吸収を妨げるもの

・お茶

・コーヒー

・アルコール

・鉄の錠剤

・避妊ピル

・甘い物の過剰摂取










亜鉛欠乏性貧血とは?

赤血球は骨髄で産生され、心臓や血管内をぐるぐるまわって酸素を運搬します。

古くなった赤血球はその役目を終え、壊れていきます。

新しい赤血球が骨髄で産生され、体内の赤血球の数は一定に保たれます。

赤血球の寿命は120日と言われています。

亜鉛が欠乏すると赤血球膜の抵抗性が減弱し、壊れやすくなります。

本来120日ある寿命が短くなって貧血を来してしまいます。

普通に生活している人は1日2500Calのエネルギーを摂取し、亜鉛は12mg必要ですが、運動強度が3500Calまで上昇すると、亜鉛の必要量は20mgまで増加します。

激しい運動する方の場合、10mg程度の亜鉛が体内から喪失してしまいます。

激しい運動による喪失や食事からの摂取不足が原因で亜鉛欠乏が起きてしまいます。

亜鉛は鉄と同様に肉や魚に多く含まれるため、鉄欠乏と亜鉛欠乏が同時に起こりやすいと言われています。

貧血になれば、血液量減少し、臓器に充分な酸素や栄養が運ばれなくなります。

そうなると、卵巣や子宮の活動やホルモン分泌が低下し排卵障害や着床障害になり不妊に繋がっていきます。

鉄剤を服用しても貧血が十分に改善しない場合には亜鉛欠乏性貧血を疑う必要があると思います。










妊娠中は亜鉛不足になりやすい?

妊娠中、亜鉛は胎児の細胞分裂に大きく関与しています。

不足すると発育不全に繋がり、早産・低出生体重児などのトラブルに繋がることもあります。

その他にも、中枢神経系・知能・免疫機能など重要な器官の発達に必要となるため、十分な亜鉛の摂取が望まれます。

また、母体にとっても亜鉛は必要不可欠な栄養素であり、不足すると皮膚・髪・粘膜・味蕾などに影響が出ます。

胎児の成長に必要な亜鉛は優先的に届けられるので、最初に亜鉛不足の影響が出るのは母体の方です。










まとめ

亜鉛は肉や魚に多く含まれています。

忙しい現代社会を生きる私たちにとって、どうしても不足しがちな食べ物です。

不足している自覚があるのであれば、食事から積極的に摂取して、妊活に活かしてください!