テストステロンとは?
テストステロンとは、男性ホルモンの1つです。
テストステロンは性欲を強くしたり、骨格や筋肉を成長させたりして、男性らしさを保つ働きをしています。
男性は体毛が濃く、筋肉がついているのは、テストステロンの作用によるものです。
テストステロンはたんぱく質を合成する機能を持っており、筋肉や骨の成長を促したり身長を伸ばす役割もあります。
テストステロンは、男性の場合、睾丸で作られています。
女性の場合は、男性に比べると分泌量は少ないですが、副腎や卵巣でテストステロンが作られています。
女性における高テストステロン症とは?
女性にとってテストステロンは、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌を抑え込む働きがあり、テストステロンの分泌量が増えすぎると、本来持っている正常なホルモンバランスを崩してしまうことがあります。
テストステロンの値が高すぎると、テストステロンの分泌が盛んになりすぎたために起こる様々な症状が起こります。
テストステロンの分泌量は血液検査を行うことで測定します。
女性のテストステロンの値は、生理周期によって異なりますが、おおよそ8~85ng/dlです。
結果が基準値の範囲を少々上回るくらいでは全く問題はありません。
テストステロンは早朝以外の時間帯で分泌量が大きく変わるホルモンであるからです。
しかし、明らかに基準値を大きく上回る場合には高テストステロン症が疑われます。
女性における高テストステロン症は、主に月経不順や排卵障害、多毛、吹き出物、肥満などの症状がおらわれる場合があります。
異常にテストステロンの数値が高かったり、同時に多嚢胞性卵巣症候群の症状が現れる場合には注意が必要です。
月経不順が起こりやすくなり、不妊症の確率をあげてしまいます。
高テストステロン症の症状とは?
・不妊になる
・流産のリスクが上がる
・皮脂の分泌量が増えて、肌が脂っぽくなる
・体毛が濃くなる
・ニキビができやすくなる
・体臭がきつくなる
・攻撃的な性格になる
女性の高テストステロン症の原因とは?
・ストレス
過度のストレスを溜め込むと、脳はストレスに対抗するために交感神経を優位にします。
交感神経が優位になると、テストステロンの分泌量が増え、さらに女性ホルモンの分泌量が減り、高テストステロン症の原因になる可能性があります。
・多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群が高テストステロン症の原因になることが多いです。
卵巣内でのホルモン合成異常や高インスリン血症などによって高テストステロン症の原因になることがあります。
・肝機能障害
一日に分泌されたテストステロンが主に肝臓で代謝されて分解されています。
肝機能に問題がある場合、テストステロンの代謝や分解がうまくいってない状態となり、体内のテストステロン量が増えてしまい、高テストステロン症の原因になることがあります。
・脂肪過多の食事
食事の栄養が偏りがちで、脂肪分の多い食事ばかりを摂取しているとテストステロンの分泌が増えてしまうことがあります。
これは、テストステロンの合成がコレステロールをもとに行われるため、高テストステロン症の原因になることがあります。
テストステロンの分泌量を下げるためには?
・ストレスを溜め込まない
ストレスをためこまないようにするには、日ごろからまず眠ることを心がけた方が良いと思います。
睡眠には、嫌な記憶を消す働きがあり、ぐっすりと眠ることが精神的ストレスに対処する最良の方法です。
精神的なストレスを減らすには、脳を休ませることが第一に考えましょう。
・適度な運動をする
冷え性の女性は、冷え性が原因でホルモンバランスが乱れ、テストステロンが増えてしまいます。
運動をすることで、筋肉量を増やし、体温を上げましょう。
・イソフラボンを摂取する
イソフラボンは、大豆製品に含まれています。
イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしています。
体内で不足しているエストロゲンを補助する役割をします。
体内のエストロゲンの量が増えれば、相対的にテストステロンの量が減り、ホルモンバランスが整うので、テストステロンの分泌量を下げることができます。
まとめ
女性の場合、多嚢胞性卵巣症候群でテストステロンの濃度が高い場合が多いです。
そのまま放っておくと、将来不妊の原因になることもありますので、思い切って婦人科を受診してください。