エストロゲンとは?
エストロゲンには主に、エストロン、エストラジオール、エストリオールといった3つの成分が含まれています。
このうち最も含有量が多いのは、卵巣から分泌されているエストラジオールであり、血液検査での評価対象となるのも主にこの成分です。
エストロゲンは、基本的に月経を繰り返すと分泌量が増加していきます。
そのため、妊娠をしている間は分泌量が減りやすく、妊娠していない女性のほうがエストロゲンが多く分泌されやすい傾向にあります。
エストロゲンの働きは次のようになっています。
・ 卵胞の成熟を促進させる
・ 子宮内膜を肥厚させ、着床しやすい環境を整える
・ 頸管粘液の分泌を促し、精子の侵入をサポートする
・ 妊娠中に分泌量が増加し、乳腺を発達させ産後の母乳生成を促す
・ 破骨細胞の働きを少し抑える
・ 血管の緊張を減らす
エストロゲンが減少がする原因とは?
・精神的ストレス
過剰なストレスにさらされていると、副腎という臓器でコルチゾールというストレスホルモンを生成し、ストレスに対抗しようとするため、コレステロールやプロゲステロンが使われてしまいます。
プロゲステロンはエストロゲンの材料でもあるので、プロゲステロンはエストロゲンをつくる余裕がなくなり、エストロゲンが減少してしまいます。
・低タンパク・低コレステロール
ホルモンは、タンパク質からつくられているため、低タンパク質の食事を続けていると、女性ホルモンの活動は弱くなります。
また、コレステロールは女性ホルモンや細胞膜の材料なのですが、最近までコレステロールは低いほうがよいと言われ、低コレステロールのリスクがあまり知られていません。
コレステロールが低いと死亡率が高いというデータもあり、不妊の原因のひとつとも言われています。
また、コレステロールは脂質であり単体では血液内に存在できず、必ずタンパク質に包まれる必要があるため、コレステロールを全身に運ぶためにはタンパク質は重要な役割を果たしています。
・痩せすぎ
BMIが17.5を切ると女性ホルモンがうまく機能せず無月経になる可能性があります。
エストロゲンが低下し、長期にわたると骨量も低下します。
BMI22のときが最も病気になりにくいと言われています。
・BMI計算方法: 体重 ÷ (身長× 身長)
標準は18.5以上25未満
例:身長160cm、体重57kgであれば、57÷(1.6×1.6)で、BMIは22.2
・加齢
女性は40歳を過ぎると体内の女性ホルモンが徐々に減り、閉経を迎える50歳ごろには卵巣からの女性ホルモンの分泌はほとんどなくなります。
この期間を更年期と言いますが、分泌量が急激に下がり過ぎると、いわゆる更年期障害として様々な症状が現れます。
骨粗鬆症や動脈硬化など、重篤なリスクが出てきます。
エストロゲンが過剰分泌されることもある?
女性ホルモンが過剰に分泌されてしまうことによって、さまざまな体調不良や、重大な疾患に発展してしまう可能性もあります。
婦人科系でいえば、生理痛のPMSが重くなってしまうことや、乳がんや子宮内膜症などに発展してしまうケースなどです。
過剰分泌される原因のひとつとして、肝機能が低下がいえます。
エストロゲンは肝臓で代謝される成分であり、肝臓の稼働率が下がることで、エストロゲンの代謝が行われないためです。
アルコールを日常的に多く摂取しすぎている人は、エストロゲンが過剰になりやすいといわれています。
エストロゲンを安定させるためには?
・高タンパク・低糖質の食事を意識する(朝食を食べ、食事をする時間を一定に保つ)
・インスタント食品やファストフードをあまり食べないようにする
・水分を積極的にとる。(一日2ℓ)
・冷たい食べ物や飲料をあまり口に入れない
・酒類を日常的に飲まないようにする
・タバコを吸わない
・コーヒー・紅茶を1日5杯以上飲まない
・食事(カロリー)制限のダイエットをしない
・適正体重を保つ(1か月に3kg以上の減量はしない)
・良質な睡眠
まとめ
エストロゲンの分泌量は低すぎても高すぎてもダメです。
エストロゲンががよいバランスで分泌されるよう、いま一度普段の生活習慣を見直してみましょう。