卵子提供とは?
卵子提供とは、卵子を提供する第3者(卵子提供者、ドナー)から卵子の提供を受け、ご主人の精子とドナーの卵子を体外受精の技術を用いて受精させます。
その後、奥様の子宮に受精卵(胚)を移植し、奥様がご自身で妊娠・出産することを目的とした不妊治療です。
若い卵子の提供を受けることにより、子宮には問題がなく、卵子の要因のために今まで妊娠が難しかったケースでの成功率は飛躍的にアップします。
世界で行われている体外受精のうち6%が卵子提供によるものといわれています。
奥様が出産したお子さんは、戸籍上、ご夫妻の実子となります。
卵子提供を受けるには?
・JISARTの認定施設で治療を受ける
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)とは、不妊治療を専門とするクリニックによって結成された団体です。
JISARTの卵子提供ガイドラインの適応となれば、卵子提供実施施設(https://jisart.jp/about/external/facility/)にて治療を受けることができます。
具体的な条件としては、一つ目が「50歳未満で早発性卵巣機能不全」であることです。
二つ目が「夫婦で6回以上の体外受精を試みたが妊娠できず、医師も妊娠の可能性が低いと判断した」であることです。
つまり、病気が原因で起こった早期閉経、遺伝的に妊娠が困難な場合に限定されているため、加齢による不妊が理由の場合、JISARTでは認められていません。
また、親族や知人など卵子を提供してくれる人を自分たちで探す必要があるうえ、卵子提供を実施できる指定の医療施設が少ないといった課題もあり、日本国内では今のところ数十件程度しか実績がありません。
・国外で卵子提供を受ける
「JISARTのガイドラインでは適応にならない」などの理由があれば、国外で治療を受けることも選択肢のひとつとして挙げられます。
海外には不妊治療の一環で卵子提供を行っている国があり、卵子提供を受けるために日本から渡航する人もいます。
日本人が卵子提供を受けている主な国として、アメリカやタイ、台湾などがあります。
国営による卵子提供が実施されているのは台湾のみです。
日本国内には、海外での卵子提供をサポートするエージェントがいくつかあり、ドナーの選定や医師の紹介、渡航の手続きなどを請け負ってくれます。
海外で卵子提供を行った場合、アメリカだと1回あたり500万円以上、比較的安い台湾でも200~300万円程度かかるといわれています。
まとめ
あまり知らずに飛び込むのではなく、きちんと情報を集め、卵子提供に伴うリスクや費用などを踏まえた上でパートナーと十分に話し合ってほしいと思います。
不妊治療で頑張っている方は、卵子提供という治療の存在だけでも知っておいていただければ幸いです。