妊活に必要不可欠なセロトニンとメラトニン

睡眠と妊娠には様々な関係があるといわれています。

医学的な観点からは、ホルモン分泌との関係性にあります。

よく眠ること、規則正しく眠ることでホルモン分泌が促され、より妊娠しやすい環境が整うといわれているからです。

そこで、今回は妊活に必要不可欠なセロトニンとメラトニンをテーマにご紹介したいと思います。







セロトニンとは?

セロトニンは三大神経伝達物質のひとつです。

三大神経伝達物質のうち、「ドーパミン」と「ノルアドレナリン」は意欲を高め、ヤル気を引き出してくれる反面、興奮作用があります。

セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンの分泌をコントロールし、気持ちを安定させる働きがあります。

セロトニンは、腸に約90%、血液中に約5%、脳に約5%あるといわれています。

セロトニンの働きとして、


・メラトニンを合成する

・血圧や呼吸、心拍を活動的にする

・ネガティブな気分を解消する

・運動神経を刺激し、姿勢が良くなる

・腸の蠕動運動を促す



などがあります。

セロトニンは、脳内において、精神のバランスをとる役割があり、セロトニンが不足すると、心のバランスが崩れ、気分が重くなったり、感情をコントロールできなくなったり、うつ状態になったりしてしまいます。






メラトニンとは?

メラトニンとは、睡眠を促すホルモンのことです。

セロトニンから合成されます。

脳にある小指の先ほどの組織である松果体から分泌します。

メラトニンは、朝の光を浴びると約14時間後の夜から増え始め、夜中にピークがあり、再び朝の光を浴びると急激に低下します。

メラトニンの働きとして、


・質の良い睡眠が取れる

・抗酸化作用がある

・女性ホルモンのバランスを適正にする

・脂肪や糖の代謝をスムーズにする


などがあります。

特にメラトニンは卵胞液中に高濃度に存在しており、メラトニンが卵胞内において排卵過程で発生する活性酸素種を消去し、卵や顆粒膜細胞を保護しているのではないかといわれています。

そのため、メラトニンの分泌減少は性腺刺激ホルモンの分泌を促進し、女性ホルモンのバランスを乱れさせたり、抗酸化作用が低下し、加齢による卵子の質の低下に拍車がかかってしまう可能性があります。








セロトニンとメラトニンの関係

日中、太陽が出ている時間帯はセロトニンが分泌され、太陽が沈んで夜になるとメラトニンが分泌されます。

このようにメラトニンとセロトニンの関係は表裏一体でセットになっています。

睡眠ホルモンであるメラトニンをしっかりと分泌させるためには、日中にセロトニンがしっかりと働いている必要があります。

この分泌のパターンは規則性が重要で、毎日決まった時間に起き、太陽の動きに同調して、暗さを認識するような生活のリズムが大切になります。

そうすることで、夜の休む時間帯に自然な眠気が訪れるように、メラトニンの働きを効果的に導くことができます。









妊娠しやすくするためにはどうすべきか?


・太陽の光を浴びる

1日のうち30分ほど、太陽の光を浴びるようにしましょう。

光が目の網膜に入ると信号が脳に伝わり、セロトニンが生成されます。

人は朝日を浴びる時間が、その日の夜眠くなる時間を決めています。(メラトニンは朝日を浴びてから約16時間後に増え、眠くなってきます。)

0時前には眠りにつけるように体内時計を調節しましょう。




・ブルーライトに気を付ける

ブルーライトは、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を抑制する効果があります。

そのため、日没後にスマホやパソコン、液晶テレビなどからブルーライトを浴びると、睡眠サイクルに変調をきたす可能性が高くなってしまいます。

就寝2時間前には、スマホやパソコン、液晶テレビの利用は控えましょう。




・トリプトファンが含まれる食べ物を食べる

睡眠や心のバランスのために重要な役割を果たすのがセロトニンです。

そのセロトニンが作られるために必要なのが、必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」です。

必須アミノ酸は体内では作られないため、食事からの摂取が重要となります。

豆腐や納豆、味噌、醤油などの大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品、アボカドやナッツ類に多く含まれています。

その中で、バナナにはトリプトファンが多く含まれていますが、糖質の取り過ぎには注意してください。

また、睡眠の質を高めるための昼食や夕食は、摂取する時間帯も大切です。

昼食はなるべく13時まで、夕食は就寝時刻の3~4時間前までに食べ終えるようにしましょう。




・運動をする

セロトニンを増やすための運動は、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳、軽い縄跳び、階段昇降、軽いスクワットなど、単純な動作をリズミカルに繰り返す運動が良いといわれています。

セロトニンを増やすことを目的とした運動を行う場合は、低強度の運動をゆっくり行ってください。

体がキツイと感じるような激しい運動は避けましょう。








まとめ

生活リズムが乱れれば、ホルモンバランスが乱れます。

規則正しい生活を心がけて、妊娠しやすい環境をぜひ整えてください!