シリンジ法とは?
シリンジ法とは不妊治療の一つで、採取した精液をシリンジと呼ばれる針の付いていない注射器を使って、女性の膣内に注入する方法です。
「自己人工授精」や「スポイト法」などと呼ばれることもあります。
シリンジ法は、病院で不妊の検査をしたけれど特に原因となるものが見つからなかった人や、性行為において、子供は欲しいけれど女性が痛みを感じてしまったり、男性がEDや膣内射精障害などがある場合に有効とされています。
リンジ法のキットは市販されているため、自分たちで行うことができます。(一回あたり500円程度で行えます)
使用できる条件として、
・マスターベーションによって夫の精液が採取できること
・夫の精液所見が正常なこと
・妻が排卵していること
・妻の卵管が通っていること
・子宮筋腫や内膜症などの異常がないこと
などがあります。
シリンジ法のやり方とは?
1、マスターベーションにより男性が採精
2、液状化させるために10~15分置く
3、カテーテルをシリンジの先に着けておいてから、精子を吸い上げる
4、カテーテル部分を膣内に挿入しシリンジから精子を押し出して、注入する
シリンジ法と人工授精との違いとは?
シリンジ法は、男性の精液を、そのまま、シリンジで膣の中に注入するだけです。
それに対して、人工授精は、夫が提供した精液を遠心分離器を用いて洗浄・濃縮し、その精子をカテーテルを使って子宮に入れます。
シリンジ法による妊娠率は?
体外受精、人工授精ともに年齢や問題によって、妊娠率は大きく変わります。
シリンジ法は採取した精液を腟内に注入するだけなので、基本的には性行為と同等だと考えられます。
妊娠率が自然妊娠と比べて高くなるというわけではありません。
ちなみに、人工授精の場合は、妊娠率でいうと約10%と言われています。
シリンジ法の注意点とは?
シリンジ法の成功率を上げるために最も重要なのは排卵日を予測することです。
排卵日の前々日と前日の性行為による妊娠率は排卵日の4倍と言われています。
卵子は排卵後6時間程度で老化が始まるため、排卵される前に精子がスタンバイしていて、すぐに受精できる状態になっていることが望ましいといえます。
その点はセックスによる妊娠とシリンジ法による妊娠は全く同じです。
まとめ
何らかの事情で子供が作りたくてもうまく性交がうまくできない場合は、有効な方法の一つと言えます。
しかし、使用するための条件がありますので、できれば事前に病院で検査して条件をクリアにしてから行ってください。