肥満と関係性が高いPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵巣で男性ホルモンがたくさん作られてしまうせいで、排卵しにくくなる疾患で、女性の20〜30人に1人の割合でみられます。
原因は、根本原因はインシュリン抵抗性にあります。
インシュリンが効いて欲しい細胞に効きにくい状態になることで、インシュリンが多く分泌され、この大量のインシュリンが卵巣に悪影響を与え、ホルモンのバランスを崩す要因となっています。
急激に血糖値を上げる食品(菓子パン・白米・ラーメン・パスタなど)を摂ると大量に分泌され、それによって上記のような状態を引き起こします。
排卵されない卵胞は卵巣にとどまるため、超音波検査でみると、たくさんの卵胞(嚢胞)を認めることから多嚢胞性卵巣と呼ばれます。
症状として無月経や月経不順、にきび、多毛、肥満などが出現します。
形態的な変化として、卵巣の嚢胞状腫大と白膜の肥厚という特徴があります。
卵巣内に10ミリ以下の発育を停止した小卵胞(液体が入った嚢胞状態)がたくさん存在することによって、卵巣が腫れることがあります。
また、コラーゲン線維の沈着によって白膜(卵巣の皮)が肥厚して硬化してしまいます。
つまり、多嚢胞性卵巣症候群は卵巣内に卵胞がたくさん存在するものの、卵巣の表皮が硬く厚くなってしまい排卵が難しいということになります。
アディポネクチンとは?
アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種です。
アディポネクチンには脂肪を燃焼させる働きがあります。
また、アディポネクチンにはインスリンの効きを良くする働きがあり、運動をしてもしなくても糖や脂肪の消費をサポートしてくれます。
そのため、内臓脂肪が多く、アディポネクチンの分泌が弱い人でも、 積極的に摂取することによりインスリンの分泌を良くします。
アディポネクチンが分泌されていれば、脂肪を燃焼しやすく、太りにくいカラダになることが可能といわれています。
ただし、アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されているため、脂肪を多く持っている肥った人のほうがより分泌されると思いがちですが、脂肪、なかでも内臓脂肪が多くなればなるほど、アディポネクチンの分泌量が減ってしまうことがわかっています。
内臓脂肪を増やさないためにも有酸素運動は欠かせません。
アディポネクチンを増やすにはどうすれば良いのか?
・糖質を控える
糖質を過剰摂取するとインスリンというホルモンが分泌され、脂肪の合成を促進すると同時にアディポネクチンの産生が減ってしまうといわれています。
アディポネクチンを増やすにはまずは、糖質を控えた食生活を実践することがベストだと思います。
標準的な栄養摂取指針では、糖質の摂取を全体の60%程度にすることが目安ですが、体質改善を意識した食事内容を取り入れる場合は20〜30%程度に止めておくと良いといわれています。
・油の質にこだわる
油をダイエット中はカロリーが高いため摂ってはいけないと思いがちですが、老化物の代謝やアディポネクチンをはじめとしたホルモンを分泌する材料としても大切な役割を担っています。
現代人は植物油などのオメガ6系の油を摂り過ぎているので、オリーブオイルなどのオメガ9系の油がおすすめです。
オメガ9系の油は悪玉のLDLコレステロールを増やし、善玉のHDLコレステロールを増やす効果に期待できます。
・アディポネクチンを増やす食材を摂取する
アディポネクチンの分泌を促すベータコングリシニンという成分が入っている食材を摂取すると良いそうです。
豆腐を代表とする大豆加工食品、にんじん、小松菜、トマト、おくらなどの緑黄色野菜、マグネシウムを多く含む、あおさやわかめ、ひじきなどの海藻類、煮干し、干しエビなどの魚介類、ごま、アーモンドなどの木の実類などです。
まとめ
アディポネクチンは、卵巣内の血流を良くし、卵子の質を高め、排卵をしやすい状態を期待できます。
食事だけでなく運動を取り入れて、アディポネクチンを増やす生活を心がけてみましょう。