卵管通水検査
卵管通水検査イメージ 卵管の通過性や子宮の構造の異常、子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫などの有無を診断する検査です。
子宮内に生理食塩水を注入し、超音波検査で子宮内、腹腔内を観察します。
月経後の低温期に実施します。
放射線や造影剤を使用しない検査で、ヨード過敏症などのアレルギーがある方でも行えます。
ただし、卵管そのものの描出はできず、左右どちらかの卵管が閉じていても判別はできません。
子宮卵管造影検査
子宮と卵管に造影剤を注入して、子宮腔の形や卵管が通っているかどうかを調べる検査です。
卵管の通過性や卵管采(卵管の先端部分)の周囲における癒着の有無や程度を知ることができます。
月経後の低温期に実施します。
検査後、数周期は妊娠しやすくなるといわれています。
検査は、2段階にわけて行います。2回目の検査を行うため2時間待つか、翌日(翌々日)に2回目の検査を行うやり方があります。
1回目は、細いチューブを子宮内に入れて、ヨードの造影剤を注入してレントゲンを撮影します。
これにより、子宮内腔の形状や卵管の通過性を検査します。
2回目は、腹部レントゲン撮影をします。腹腔内に広がった造影剤のパターンにより、卵管采周辺の癒着の有無を判定します。
※子宮卵管造影検査の禁忌
次のような状態のときは、この検査を行うことはできません。
① アレルギー体質、特にヨード過敏症がある場合。
② 子宮や腟にクラミジアや淋菌が感染していて、上行感染を起こす可能性がある場合。
③ 子宮や卵管、骨盤内臓器に急性の炎症がある場合。
④ 子宮からの出血が多量のとき。
⑤ 子宮や卵管の悪性腫瘍が疑われる場合。
⑥ 妊娠中のとき。
⑦ 排卵後および子宮内妊娠の可能性がある場合。
⑧ 月経中および月経直前。
・ヨード過敏症について
子宮卵管造影検査はヨード造影剤を使用する影響で、一定の頻度で次のような副作用が生じることが知られています。
・軽い副作用:かゆみ、発疹、発赤、悪心、嘔吐
100人に1人以下の確率で起こりますが、特に治療を必要としないことが多いです。
・重篤な副作用:息苦しさ、嗄声、血圧低下、意識消失、腎不全
発生する頻度は、2.5万人に1人、入院のうえ治療が必要です。
・遅発性副作用:頭痛、嘔気、かゆみ、発疹、咳、冷や汗、動悸
発生頻度は1000人に1人、検査後数時間から数日後に副作用が発生することがあります。
子宮卵管造影検査と通水検査の違いとは?
子宮卵管造影検査では造影剤を子宮頚部から注入して子宮の形態、卵管の通過性、造影剤の腹腔内の拡散状態をX線で観ます。
通水検査は水を子宮頚部から注入して卵管の通過性を超音波検査確認します。
診断の正確性は子宮卵管造影検査の方が高く、得られる情報も子宮卵管造影検査の方が多くなります。
まとめ
過去に子宮卵管造影検査を行っていると思っていたら、実は卵管通水検査だったという方が希にいらっしゃいます。
もし、卵管の状態をより詳しく知りたいとお考えの方は、不妊クリニックに受診してみてください。